令和7年9月 一般質問質疑録
自由民主党相模原市議団の一員として通告に従い一般質問を行います。
まず、自動運転サービスの事業化についてです。
日本では2024年度、100か所以上の自治体で、自動運転技術が実証されており、そのうち5か所では、自動運行装置が人の運転操作の全てを行う、「レベル4自動運転車」が通年運行されています。
本市では運転手不足による神奈中バスの減便や路線廃止の流れは止まらない中、高齢化により免許返納者が増える一方であり、買い物や病院などへの移動手段として人手の要らない自動運転サービスへの需要は今後更に増していくことは間違いありません。
しかしながら、自動運転サービスの事業化と実装は、いち早く実証に取り組み、政府や関係事業者と知見・経験を積み重ねた自治体から優先的に進んでいくものと考えます。また、実証の取り組みの過程で構築した関係者との信頼関係は、先端技術投資をその自治体により多く呼び込む可能性を秘めています。
本市は自動車産業とともに発展してきた歴史を持ちます。また、リニア新幹線神奈川県駅が開通すれば、自動車産業・技術の一大集積地である愛知・岐阜をはじめとした中部地方ともビジネス交流の機会が増大するはずです。
本市が自動運転の実証に率先して取り組んでこなかったのは大きな痛手です。今からでも遅くはありません。
いち早く自動運転移動サービスを導入するため、本市も実証事業に参画すべきと考えます。見解を伺います。
既に多くの自治体で実証は進められており、本市はいわば「遅れ」ている立場にあります。それでも実証に手を挙げ、国の事業に採択されるには、何らかの新規性やこれまでの実証で見出された課題に対応する取組を本市から提案しなければなりません。
そこで私は事業化への課題に着目しております。自動運転技術は今、実証の域を超え、サービスの事業化を見据えた取組が求められている状況です。現在、全国の自治体で実施されている実証の結果、事業化に向けてはどのような課題が生じていると認識しているか、伺います。また、実証に取り組むにあたり、事業化を見据えて提案し、国の事業に手を挙げるべきと考えます。見解を伺います。
自動運転については、運転士不足の解消だけでなく、まちの魅力向上にも大きく資する取組であると考えている。
こうしたことから、本市においても交通事業者や関係機関と意見交換を行っており、今後、自動運転の実証運行に向けた取組を進めてまいる。
事業化に向けた課題等について。
自動運転については、特に車両費用が高額であり、実証運行終了後の収支採算性など、事業の継続性に課題があると認識している。
今後は、国の補助制度を活用するなど、課題の解決に取り組むとともに、新たなまちづくりを踏まえた自動運転の導入など、様々な視点を取り入れながら取り組んでまいる。
非常に前向きな答弁をいただき大変心強く思います。では、どのような実証事業に取り組むべきか、国の動きを踏まえながら再質問したいと思います。
デジタル庁では、これまでの実証の成果から見えてきたこととして、採算面の改善には自動運転サービスの需要と供給の双方の視点を踏まえたサービスの再設計が必要であることや、技術面では自動運転の初期の設備投資の負担軽減が必要であることを論じ、「モビリティロードマップ2025年度版」として本年6月にまとめています。
採算面については、現在の自動運転の導入コストが1台1.6~2.2億円程度かかるといわれるように供給制約がある中、自動運転サービスの潜在的な需要はともかくとして、目下の需要は低いという、需給のミスマッチが生じており、このため採算がとれず事業化への障壁になっているとの指摘があります。
このため、潜在的な需要、例えば、本市では免許返納をしている高齢者や車をもっていない子育て世帯などの自動運転サービス利用者となり得る潜在需要をデジタルデータ等から可視化し、またそうした潜在需要にとって最適な運行経路や車両の形態などといった供給面の在り方を合わせて検証し、需給をマッチさせる取組を推進することがモビリティロードマップに示されております。この取組を「交通商社機能」と呼び、デジタル庁が交通商社機能の確立に向けた支援をしていく旨が記載されている。
くしくも、本市は都市部におけるコミュニティバスの導入、中山間地域における乗合タクシーの導入、そして、若葉台や新磯といった高齢化地域にはグリーンスローモビリティを実証事業として取り入れるなど、地域の特性と需要を検証しつつ、移動サービスの供給の在り方を柔軟に検討してきた点で、図らずも「アナログ版交通商社機能」を担ってきたといえます。
この実績をベースにデジタルな潜在需要把握を実施し、移動サービスの今後の在り方を見極める「交通商社機能」にチャレンジすることで国庫支出金を獲得しながら、自動運転サービスの事業化に貢献していく自治体として名乗りをあげる、こうした視点を持ちながら積極的な取組を期待したい。見解を伺います。
自動運転の実証運行については、地域の移動需要の把握や創出など、「モビリティロードマップ」における「交通商社」の考え方も参考にしながら取り組んでまいる。
技術面については、自動運転を支える要素技術、例えばレーザー光で人や障害物の距離を検知するライダーシステムが要となっているが、ライダーシステムの小型化、低コスト化が必要と「ロードマップ」で指摘されております。
いみじくも、本市に相模工場をもつ三菱電機の9月10日付けプレスリリースによれば、ライダーを用いた自動運転車両の移動サービスを展開していくようであります。三菱電気と連携した要素技術の低コスト化とその応用実証場所として、本市のエリアを提供していくことは事業者、国に提案できないものでしょうか。
また「ロードマップ」は「技術的課題解決」に向けた「先行的事業化地域」を今後選定し、各府省庁施策の集中投入をするとしています。先行的事業化地域での運行ケースの事例として「グリーンスローモビリティ等現在の技術レベルで円滑な交通を妨げる恐れのない地域(細い街路の多い過疎地域等)」が明記されているが、今後、こうした地域で自動運転を普及せるための課題検証を実施するつもりのようです。まさに若葉台や新磯地区は最適地ではないでしょうか。
このように技術の低コスト化については地元企業との連携が考えられ、デジタル庁が選定するとする「先行的事業化地域」にもマッチした地域を本市は有している。こうした視点を持ちながら積極的な取組を期待したい。見解を伺います。
地域に応じてどのようなモビリティサービスが求められているのか、どうすればそのサービスが継続できるのか、という視点をもって、自動運転の実証運行に取り組んでいく必要があると考えており、「先行的事業化地域」など「モビリティロードマップ」の視点を踏まえ、関係機関や事業者等と意見交換を行いながら、取組を進めてまいる。
事業者とはどのような事業者を指すのか、伺います。
「事業者」については、本市の「イノベーション創出促進拠点」である、「FUN+TECH LABO」に参画する事業者などの先端技術を有する事業者を想定している。
是非FUN+TECHラボへの参画事業者らと課題意識や本市の強みを共有してください。今私が申し上げたことは、私自身「机上の空論」を述べているような気にもなりますので、専門家とより深みのある議論を進め、事業化に向け真に有効な実証に取り組むよう強く要望いたします。
次に都市計画道路村富相武台線の改良についてです。
代表質問においてわが会派の中村議員から第1整備地区の使用収益開始に伴う村富相武台線の交通渋滞の懸念について質問したところ、「麻溝台・新磯野地区第1整備地区及び北部・南部地区の区間において4車線化に取り組む」「「相模原公園入口交差点」については現在、予備設計を実施している」との答弁がありました。
これを踏まえ質問いたします。
まず村富相武台線のうち、麻溝台・新磯野地区にかかる部分の4車線化について伺います。麻溝台・新磯野第1整備地区では、4車線化は整備順序の最終ステップとなっており、令和13・14年頃を見込んでいることは承知しております。北部及び南部地区の4車線化スケジュールは明らかとなっていないものの、令和7年3月定例会でいただいた答弁に従えば、区画整理事業組合の設立が予定通りに進んだ場合、工事着手は今から4年後の令和12年頃と考えられますので、第1整備地区の4車線化と同時期に北部及び南部地区の4車線化工事がスタートできるものと考えます。
第1整備地区の道路整備完了後に間を空けず、北部及び南部地区においても村富相武台線の4車線化に早期に着手し、沿線全体の4車線化を断続することなく完了させることが適切であると考えます。こうした事業の進め方を事業検討パートナーと共有し、推進していくべきと考えます。見解を伺います。
次に「相模原公園入口交差点」について伺います。当該交差点は、アンダーパスで県道52号の下に村富相武台線が建設される立体交差化を計画していることは承知しております。このような大規模工事は時間がかかり、結果として渋滞解消まで長い期間が必要と考える。現在、予備設計を行っていると承知していますが、一般的な用地取得までの手順と立体交差化にかかる工事期間についてはどのように想定されるのか、伺います。
また、立体交差化の工事着手までの間、何らかの暫定的な渋滞軽減対策を行うことが有効な企業誘致と地域経済活性化につながると考えますが、見解を伺います。
都市計画道路村富相武台線の4車線化は、北部及び南部地区のまちづくりの進捗に合わせ、早期の整備が重要であると認識している。
市としても、道路の拡幅による渋滞の解消や、産業用地としての利便性の向上が図られるよう、地権者組織と事業検討パートナーとともに取り組む。
予備設計を終えた後、用地取得までには、交通管理者なととの関係者協議、詳細設計、用地測量などを実施し、都市計画法に基づく事業認可を取得する予定。
県道52号の下当麻立体交差において、工事着手から供用開始まで概ね8年を要した。
「相模原公園入口交差点」については、相互の道路がこれより大規模な4車線の立体交差事業となるため、さらに期間を要するものと想定している。
当該交差点については、麻溝台・新磯野第一整備地区の事業進捗に合わせ、暫定的な整備を進めることを検討しており、右折レーンを長くすることや、北里大学病院前にバスベイを設置するなど、効果的な渋滞対策について、引き続き、検討する。
要望です。麻溝台・新磯野地区を良好な産業用地として整備するためには、圏央道相模原相川インターチェンジへ接続する幹線道路網が整然と整備され、渋滞が生じない市街地としていくことが重要です。6月定例会で論じた県道52号線と合わせ、村富線と相模原公園入口交差点の改良については最重点政策として進めていただくようお願いいたします。
次に、当麻地区整備促進事業の後続地区について質問します。
当麻地区は、圏央道相模原愛川インターチェンジの利便性を生かした新たな都市づくりの一環で、平成19年度よりまちづくり研究会等が発足、平成22年度には当麻地区拠点整備事務所が開設され、宿地区の土地区画整理事業は令和2年度に完了、花が谷戸土地区画整理事業も昨年度に終了認可が下りたところです。
しかしながら、当麻地区整備促進事業の後続地区である谷原・市場地区においては、市街地整備についての見通しが未だ立たず、当麻地区拠点整備事務所は令和元年度で閉設されてしまったこともあり、地区住民の間で、市街地整備が本当に実現するのか、不安の声が高まっております。
現在、市は谷原・市場地区の市街化編入に向け、その実現性の検証に取り組んでいることと承知しておりますが、検証内容と結果を伺います。
次に、検証結果を受け把握された市街化編入への課題と今後の対応方法について、どのように考えているか、市の見解を伺います。
谷原・市場地区の市街化区域編入に向けた検証等についてでございますが、本地区の市場性や土地区画整理事業の施行を前提とした事業採算性について検証を行ったところです。
デベロッパー等への聞き取り調査の結果、物流施設等の特定の用途において市場性のあることが確認できましたが、事業採算性に課題があることから、引き続き、今後のまちづくりについて、地域の皆様とともに、検討を進めていきたいと考えています。
再質問です。
市長は事業採算性に課題があると答弁されましたが、その課題の解決に向けては、具体的にどのような取組を行うことが考えられるのか、伺います。
課題解決に向けての取り組みでございますが、想定事業計画の見直しによる支出の削減や、収入の大部分を占める保留地処分金をより多く確保するために、高値で保留地を購入していただける事業協力者を募ることなどにより、想定事業収支を改善することが考えられます。
その他の課題について、どのようなものがあるか伺います。
その他の課題といたしましては、土砂災害特別警戒区域に指定されている箇所の安全対策などがございます。
そうした課題については、担当課である都市整備課だけでなく、他の所管部署と調整が必要になると考えます。庁内横断的に調整を迅速に進め、この地区のまちづくりを強力に推進していくためには市全体がこの地区に対して付加価値を見出し、本気で事業を進めようという意気込みが必要ではないでしょうか。
しかし、当麻地区のまちづくりについては、都市経営戦略において言及はありません。ですかは、次期さがみはらし総合計画でも「圏央道インターチェンジ周辺地区において、新たな産業用地の整備を進める」といった文言がなくなってしまわないか懸念をしております。次期総合計画においては当麻地区のまちづくりをはじめ、圏央道インターチェンジ周辺地区の優先度を下げるべきではないと考えます。見解を伺います。
令和9年度までの現総合計画においては、施策分野別基本計画として、47の施策を位置付けています。令和10年度からの次期総合計画策定に当たっては、これらの施策を改めて検証し、魅力あふれる都市づくりとしての位置づけや、具体的な事業立てについて検討します。その際には、総合計画審議会等の外部組織からの意見も踏まえたうえで、検討する必要があると考えています。
現状では当麻地区のまちづくりが軽視されている、担当課は別として、市全体は全く本気でないのだと感じます。少なくとも次期総合計画には、必ず基本計画において位置付けるようお願いいたします。
先日、相模経済新聞に大変興味深いニュースがありました。
横浜市の「旧上瀬谷通信施設地区土地区画整理事業」物流地区で、自動運転トラックによる幹線輸送など新しい物流システムに対応した高速道路IC直結の「次世代期間物流施設」の開発を計画している。国が2040年までに実現を目指す「フィジカルインターネット」の実現も意識する。とのニュースです。
令和5年9月定例会でまさに次世代物流と「フィジカルインターネット」の取組に相模原市も参入すべきと申し上げましたが、横浜市で既に動きが始まっています。
相模原愛川インターチェンジと隣接する当麻地区谷原・市場ブロックには同様に次世代物流の拠点としての可能性が秘められています。市の強力な後押しがあれば、事業者にとって大いに付加価値を見出すことができる土地であることは間違いありません。是非、次世代物流に意欲的な事業者を含め、積極的な事業検討パートナーの呼び込みをお願いします。
当該地区は高齢化や次の世代が町を出て行ってしまい、人口が減る中で、市街化調整区域であることから、宅地の売買もできず、空き家が増えていくことが見込まれます。また、多くの住民から下水道整備の要望があっても市街化区域への編入がなければ、下水道整備ができないとの見解が令和5年3月定例会で市長より示されております。地域に住まう住民のためにも、本市の将来のまちづくりのためにも、当該地区の整備事業は決して手を抜いてよいものではありません。不断の取り組みをお願いいたします。
最後に、中高生の居場所づくりについてです。
子育て支援、こどもの権利といったこどもに係る政策が全国で推進される中、「中高生の居場所づくり」が脚光を浴び始めています。
相武台地区でも不登校生を含む中高生の居場所の必要性について、声があがるようになっております。
「中高生の居場所づくり」は新たな取組として認知され始めているところですが、武蔵野市立図書館「武蔵野プレイス」は先駆的かつ成功事例として有名であります。そして、市長が「武蔵野プレイス」に先般視察されたことは承知しております。
「武蔵野プレイス」は図書館を軸にした多機能複合施設ですが、「中高生の居場所」といった観点では、市長は視察を通じてどのように感じられたかお聞かせ願います。
また、市は乳幼児や小学生の居場所づくりについてこれまで力を入れてきたことは承知しておりますが、今後は中高生の居場所についても積極的に取り組むべきと考えます。市長の見解を伺います。
中高生の居場所づくりについてでございます。
先般視察させていただいた、「武蔵野プレイス」では、図書館を始めとして生涯学習支援、市民活動支援、青少年活動支援の4つの機能を併せもち、子どもから高齢者までの交流を促す開放的なつくりが印象的な施設でした。
中でも中高生の居場所となっているフロアは、勉強をする、体を動かす、本や漫画を読むなど、
多くの若者が自由に安心して過ごすことができる空間となっており、今後、参考にしたいと感じたところです。
次に、今後の取組についてでございます。
中高生にとって、学校や家庭以外に安心して過ごせる場所があることは、彼らの心身の健全な成長に大きく貢献するものと認識しており、私自身も若者などとの対話の中で、中高生の居場所を求める意見も伺っています。
青葉小学校跡地に新設予定の複合施設には、中高生の居場所などを設ける予定ですが、更なる取組も検討してまいります。
青葉小学校跡地に限らず、更なる取組も検討するとの答弁をいただきましたので、今後に期待をいたします。
市長も視察なされた武蔵のプレイスは2011年に完成し、15年以上も前から、構想、建築が進められてきました。その後、武蔵野プレイスを参考とした複合施設が全国各自治体で整備され、例えば、「大和シリウス」「矢川プラス」といった複合公共施設が「中高生の居場所」として機能しています。
本市においても、今後、武蔵野プレイスに引けをとらない「中高生の居場所」として機能する施設を設けていただくことを期待いたします。
そして、市内の人口や広さを考えれば、市内に一つの施設ということではなく、各区にすくなくとも一つは設置すべきと考えます。見解を伺います。
中高生の居場所づくりについては、居場所として備える機能や規模は様々なに考えられることから、既存の地域資源の有効活用を含め、必要な方策を検討してまいります。
答弁にありました旧青葉小学校跡地のほか、淵野辺駅南口では市立図書館をはじめとする複合施設において、中高生の居場所を検討していることは承知していますが、どちらも中央区での取組となります。今後は市内全域に偏りのない措置をお願いいたします。
例えば、現在、南区のもえぎ台小学校閉校後の跡地に相武台地区の公共機能の集約することが検討されていますが、「相武台まちづくり会議」において地域から「中高生の居場所」の機能を持たせる意見も上がってきております。南区の「中高生の居場所」候補地として、積極的な検討をお願い申し上げまして、一般質問をおわります。